今回は回転力の作り方について・・・。
回転力のあるトリックは鋭く、クールに見える。
また多回転を目指すには不可欠な技術でもある。
早い回転速度を生むにはどうしたらよいのであろうか。
それについても身体意識の改善よりおのずと導き出されてくる。
コマを思い浮かべて欲しい。
コマには軸となる指でつまむ部分と、厚みのある傘のような部分がある。
コマは軸だけでは回れない。傘という重さのある部分が回り、安定して回ることができる。
コマを回そうとした場合、みんなどうするだろうか?
当然、軸をつまんで回すことになる。
ではより速く回そうとした場合は?
より速く軸を回そうとするだろう。
実際に体を回す際はどうなるか。
軸をより速く回せれば回転速度は速くなる。
しかしコマのようにつまんで軸だけを回すことはできない。
正しい姿勢で重力を感じた状態で地心から、頭の真上まで貫く1本のライン(軸)を意識し、それを常に維持するようにすると、そのラインが地球と一体化し、安定感を感じ取れるようになる。
これが
コマで言う軸となる。
そこで前回も解説したが、重力を感じた状態で体を捻って右回し、左回しを繰り返してみる。
すると、腕は重さがあるので慣性力と遠心力がかかり動くのがわかるはず。
さらに体の軸(体幹)に対して腕の重さを繋ぐ場所が肩であり、この肩自身にも重さがあり、慣性力、遠心力が働き、軸を回していることに気がつく。これが
コマでいう傘となる。
さらに体を捻って右回し、左回しを繰り返した時に腰を回してみて欲しい。すると体の軸に対して足という重量物と体軸を繋げている部分が腰であり、足と一体になった腰骨周辺にも重さがあり慣性力、遠心力が働き、軸を回していることに気がつく。これも
コマでいう傘となる。
つまりこの肩と腰の重さに慣性力、遠心力により公転運動を与え、軸を自転させるのが人体におけるコマと同様の回転動作となる。
これがわかれば回転速度をあげようとする場合も方法がわかるであろう。
ここで大事な点はスノーボードのスピンの方法としていわゆる「上半身を回転させる」ということが言われるが、上半身とは腰よりも上の部分を回す動作を指すように感じるので、スピンをする場合におなかを捻って肩だけを回す動作ととらえがちだ。
しかし効率の良い軸回転動作を考えた場合、この上半身と下半身の回転差があってはロスが生じてしまうのは当然だ。
つまり速度のある回転を行うには肩、腰を出来うるだけ回転差がないよう速く回し、体軸に積極的に回転力を伝えればよいということになる。
回転力を生むための身体意識上の肩と腰の分化(統合)という要素はスノーボードのトリックを行う上で非常に重要となってくる。
幅広い応用やスタイル向上に効果を発揮するであろう。
[0回]
PR